やおよろずのもり

八百万の杜
木花咲耶姫(このはなさくやひめ)のイラスト

このはなさくやひめ

木花咲耶姫

花のように咲き誇る美の女神

咲く力母性と誇り一瞬の輝き

この神様の基本

別称・表記
木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)/木花開耶姫
ご利益
良縁・安産・美容・繁栄
司る力
安産・子育て・良縁・美容・繁栄、そして火難除け。富士山を御神体とする女神でもあります。
主な神社
富士山本宮浅間大社(静岡)を総本宮とする、全国約1,300社の浅間神社。
五行・陰陽
(人格の一の位が 1・2、総格が偶数のとき)

象徴の色

桜色・淡紅

季節

春(三月〜四月)

自然物

桜、富士山、湧き水

神話 ― 木花咲耶姫の物語

山の神・大山津見神(おおやまつみのかみ)の娘で、天孫・邇邇芸命(ににぎのみこと)が地上に降り立った際、笠沙の岬でその美しさに一目惚れされて妃となりました。「木花」とは桜のこと。咲き誇る花のように美しい女神です。

ひと夜の契りで身ごもったため、邇邇芸命に「国つ神の子ではないか」と貞操を疑われます。怒りと誇りから彼女は、出口を塞いだ産屋に自ら火を放ち、燃えさかる炎の中で三柱の御子を無事に出産。「天つ神の子なら炎の中でも無事なはず」と、火中出産によって身の潔白を証明したのです。このとき生まれたのが、海幸彦・山幸彦の兄弟でした。

姉の石長姫(いわながひめ)とは対照的に描かれます。父・大山津見神は、永遠の命を司る姉と繁栄を司る妹の二人を共に嫁がせましたが、邇邇芸命が醜い姉を返し咲耶姫だけを選んだため、天孫の命は「花のように美しくも儚い」ものになった——これが人がやがて死を迎える由来とも語られます。

木花咲耶姫に守られる人

あなたは、桜のように人を惹きつける華やかさと、炎の中で出産を遂げた芯の強さを併せ持つ人。美しく咲くことを恐れず、いざという時には誇りを貫く強さがあなたの武器です。

桜のように人の心を惹きつける華やかさと、炎の中で出産を遂げたほどの芯の強さ——その両方があなたに宿っています。美しく咲くことを恐れず、自分を表現してみてください。いざという時に誇りを貫く強さが、あなたを守る力になります。大切な場面では、桜色のものを身につけると気持ちが整います。

恋愛・ご縁

恋においては「選ばれる」より「自分から咲く」ほうが圧倒的にうまくいく人です。木花咲耶姫が邇邇芸命に見初められたのは、隠れていたからではなく、笠沙の岬で堂々と佇んでいたからでした。控えめにしているうちは良縁が通り過ぎてしまい、自分の魅力を惜しみなく出したときに一気に話が動きます。ただし一目惚れされやすいぶん、相手の熱が冷めるのも早いことがあります。出会って三か月を過ぎたあたりから、見た目以外の部分——価値観や生活のリズム——を丁寧にすり合わせていくと、花が実に変わっていきます。疑われたときに黙って耐えるのはこの神の守り子には向きません。誇りを持って言葉で示すほうが、結果的に信頼を勝ち取れます。

仕事・天職

人前に立つ仕事、美しさを扱う仕事に強い適性があります。接客、販売、美容、ファッション、広報、イベント、写真や映像、料理の盛りつけ——「見た目で人の心を動かす」領域すべてがこの神の庭です。加えて、火中出産の逸話が示すとおり、土壇場での胆力が並外れています。平常時は華やかで柔らかい印象を持たれますが、締切直前や修羅場でこそ本領を発揮するタイプ。そのため、常に平坦な業務より、繁忙期と閑散期がはっきりした仕事のほうが生き生きします。裏方に回りきってしまうと、力が半分も出ません。

金運とお金の使い方

お金は「使ったぶんだけ返ってくる」流れを持ちます。特に、外見・住まい・人と会う場所にかけた費用は、縁とチャンスの形で戻ってきやすい傾向があります。逆に、節約一辺倒で自分を飾ることをやめると、なぜか収入まで細くなっていきます。ただし浪費と投資は別物です。「これは人に見せるためか、自分が満ちるためか」を買う前に一度だけ自問すると、判断を誤りません。

気をつけたいこと

咲耶姫は、疑われた怒りから産屋に火を放った神です。あなたにも、誇りを傷つけられた瞬間に一気に感情が燃え上がる面があります。その激しさは潔白を証明する力にもなりますが、身近な人に向けると関係を焼き尽くしてしまいます。カッとなったら、その場で言い返さず一晩置くこと。翌朝の自分は、驚くほど冷静で的確な言葉を選べます。もうひとつ、「若さ・美しさが失われることへの不安」を人より強く感じやすい傾向があります。花の美しさは散るからこそ尊い——姉の石長姫の物語は、そのことを裏側から教えてくれます。

開運アクション

  1. 春の花を一輪でよいので部屋に飾る。生花が難しければ、桜色の小物を身につけるだけでも気が整います。
  2. 大事な勝負の日は、頬か唇に赤みを足す。咲耶姫の力は「血の色」に宿ります。
  3. 年に一度、富士山か浅間神社に手を合わせる。行けない年は、富士山の写真を待ち受けにするだけでも縁がつながります。

参拝のヒント

浅間(せんげん)神社は全国に約1,300社あり、多くは「富士山が見える場所」に建てられています。参拝の際は、まず社殿ではなく富士山の方角を向いて一礼してから鳥居をくぐると、この女神との縁が深まるといわれます。安産祈願で有名ですが、「新しいことを産み出す」祈願全般に応えてくださる神様です。何かを始める前の参拝が特に向いています。

相性の良い守護神

身近な人の守護神がわかったら、こんな組み合わせも見てみてください。

よくある質問

Q. 木花咲耶姫が守護神だと、美人になれるということですか?

A. 顔立ちの話ではありません。この女神が司るのは「自分の魅力を表に出す力」です。同じ顔でも、堂々としている人は美しく見えます。姓名判断でこの神が選ばれた方は、その「出す力」を最初から持っている、という読み方をします。

Q. 火の神を産んだ女神ではないのですか?

A. 火中出産をしたのが木花咲耶姫、火の神・迦具土神を産んだのは母神である伊邪那美で、別の物語です。咲耶姫が炎の中で産んだのは、火照命(海幸彦)・火須勢理命・火遠理命(山幸彦)の三柱。名にはいずれも「火」が入っており、炎の中での出産を今に伝えています。

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