前世の姿
大樹
たいじゅ
木
動かず、五百年を立ちつづけたもの
前世の情景
あなたの魂は、一歩も動きませんでした。根を張った場所で芽吹き、そこで五百年を過ごした——それがあなたです。人が生まれ、育ち、老い、死ぬのを、あなたは何十回も見送りました。戦があり、火があり、飢えがあり、それでもあなたは立っていました。動けなかったのではありません。動く必要がなかったのです。
背負っていたもの
在ること。それだけです。あなたの下で人は雨をしのぎ、子は遊び、老人は座って昔を語りました。あなたは何もしていません。ただそこに在ることが、そのまま役目でした。
現世に持ち越した性質
急かされることを何より嫌います。物事が実るまでの時間を、人より長く見積もれる。周りが一年で結果を求める場面で、あなたは十年の絵を描いています。そばにいる人を落ち着かせる力があります。
魂に残る癖
動き出すのが遅すぎて、機を逃すことがあります。また、環境が合わなくなっても「もう長くいるから」という理由だけで留まり続ける。根を張ることと、身動きが取れないことの区別が、この魂には難しい。
この魂が惹かれるもの
森。古いもの。同じ場所に長く通うこと。旅行より、行きつけの店に十年通うほうが性に合っているはずです。
※ 伝統的な姓名判断に「前世を読む流派」はありません。これは『古事記』『日本書紀』の八百万観——山にも川にも木にも石にも神が宿るという考え方——を土台に、 八百万の杜が独自に組み立てた読み物です。前世の実在を主張するものではなく、 ご自分の性質を別の角度から眺めるための、物語としてお楽しみください。